食いしばりがある人はインプラントをやめた方がいい?
皆さん、こんにちは。川越のまつむら歯科クリニックです。
インプラント治療を検討されている患者さんの中には、「食いしばりの癖があるけれど大丈夫?」と心配される方が少なくありません。今回は、食いしばりがインプラントに与える影響や、対策について歯科医師の立場からお話しします。
食いしばりがインプラントに与える影響
食いしばりは、自覚のないまま強い力が歯や顎にかかるクセです。これが天然の歯であれば、歯根膜というクッションの役割を持つ組織が衝撃を吸収します。しかし、インプラントには歯根膜がなく、顎の骨に直接固定される構造のため、強い力がダイレクトに加わると、次のようなリスクが考えられます。
インプラント周囲炎の悪化リスク
食いしばりにより、インプラント周囲の歯茎や骨に過剰な負担がかかると、インプラント周囲炎が悪化する可能性があります。周囲炎が進行すると、せっかく埋入したインプラントが脱落してしまうこともあるため、注意が必要です。
インプラントの破損
特に上部構造(被せ物)には破損のリスクがあります。セラミックの被せ物にヒビが入ったり、場合によってはインプラント本体のネジが緩むこともあります。
噛み合わせの乱れ
強い食いしばりによって、インプラントを含めた全体の噛み合わせのバランスが崩れ、あごの関節や周囲の歯にも悪影響を及ぼすことがあります。
しかし、食いしばりがあるからといって、必ずしもインプラントができないというわけではありません。
大切なのは、事前にしっかりと診査・診断を行い、リスクを把握したうえで、適切な対応策を講じることです。
食いしばりを改善する方法
マウスピース(ナイトガード)の使用
最も一般的な対策として、就寝時にマウスピースを装着する方法があります。歯やインプラントに加わる力を分散させる効果があり、破損や周囲炎のリスクを軽減できます。
ストレス管理
食いしばりは無意識のうちに起きていることが多く、原因としてストレスが関係している場合もあります。日中の生活習慣の見直しや、リラックスする時間を設けることも予防につながります。
噛み合わせの調整
歯科医師が噛み合わせをチェックし、必要に応じて調整を行うことで、局所的に力が集中するのを防ぐことができます。川越の当院では、噛み合わせや顎の状態を細かく診ながらインプラントの設計を行っています。
定期的なメンテナンス
インプラントを長持ちさせるには、治療後の定期的な通院が欠かせません。インプラント周囲炎の早期発見や、マウスピースの状態確認など、メンテナンスを続けることで安心して使用できます。
まとめ
食いしばりはインプラントにとって無視できないリスクですが、適切な対策を取ることで問題なく治療が受けられる場合が多くあります。川越周辺でインプラント治療を検討している方は、ぜひ一度、歯医者でご自身の噛み合わせや歯茎の状態をチェックしてみてください。当院では、丁寧な診査とサポートを通じて、患者さんにとって最適な治療法をご提案いたします。