インプラントのスクリュー固定とセメント固定の違いとは
皆さん、こんにちは。川越のまつむら歯科クリニックです。
インプラント治療を検討している方にとって、治療の方法や種類は気になるポイントではないでしょうか。特に、インプラントの上部構造(人工歯)の固定方法には「スクリュー固定」と「セメント固定」の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。本コラムでは、それぞれの特徴を詳しく解説し、患者さんにとって最適な選択肢を見つける手助けとなる情報を提供します。
スクリュー固定の特徴
スクリュー固定は、インプラントの上部構造をネジで固定する方法です。主に次のような特徴があります。
1. 取り外しが容易
スクリュー固定は、トルクスレンチなどの専用器具を使用することで、上部構造を簡単に取り外すことができます。そのため、定期的なメンテナンスや修理が必要な場合でも、歯茎に負担をかけずに対応できます。
2. 残留セメントのリスクがない
セメント固定では、固定時に余剰なセメントが歯茎の内部に残ることがあり、これが原因で炎症を引き起こすことがあります。しかし、スクリュー固定ではセメントを使用しないため、このようなリスクがありません。
3. 精密な噛み合わせ調整が可能
スクリュー固定は、噛み合わせの調整がしやすい点がメリットです。セメント固定の場合、やり直しが難しいことがありますが、スクリュー固定ならば微調整が可能で、長期的な安定性を確保しやすくなります。
4. 審美性の課題
スクリュー固定では、ネジを埋めるための穴が必要になります。この穴は、レジンなどで補填されますが、前歯などの審美性が求められる部位では、わずかに色調の違いが生じることがあります。特に、審美性を重視する患者さんにとっては、事前にしっかり相談することが大切です。
セメント固定の特徴
セメント固定は、歯科用セメントを使用してインプラントの上部構造を固定する方法です。次のような特徴があります。
1. 審美性に優れている
セメント固定では、スクリューを埋める穴が不要なため、より自然な見た目に仕上げることができます。特に、前歯のように見た目が重要な部位では、セメント固定が適しているケースが多くなります。
2. 強固な固定が可能
セメントでしっかりと固定するため、強度が高く、噛み合わせの力が強い方にも適しています。ただし、一度固定すると取り外しが難しいため、調整や修理が必要な場合には慎重な対応が求められます。
3. 炎症のリスクがある
固定時に余分なセメントが歯茎の内部に入り込むと、炎症を引き起こすことがあります。この問題を防ぐためには、施術時に適切なセメント量を使用し、余剰分をしっかり除去することが重要です。
4. 調整が難しい
スクリュー固定とは異なり、セメント固定では一度固まると取り外しが困難です。そのため、噛み合わせの微調整をする場合や、トラブルが発生した際には、上部構造を削る必要が出てくることがあります。これが、長期的なメンテナンスにおいてデメリットとなることがあります。
まとめ
インプラントの固定方法には、スクリュー固定とセメント固定の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。スクリュー固定はメンテナンスのしやすさや調整の自由度が高い一方、審美性にやや劣る点があり、セメント固定は審美性が高いものの、調整やトラブル時の対応が難しいという特徴があります。川越でインプラント治療をお考えの方は、歯医者としっかり相談し、ご自身のライフスタイルや治療後のメンテナンスを考慮したうえで、最適な固定方法を選ぶことをおすすめします。当院では、患者さん一人ひとりに合った治療計画を提案いたしますので、お気軽にご相談ください。